2014年10月29日水曜日

日本ブランドのこだわりを伝えられるか。



こんにちは。

学生時代の夢はパリコレデビューだった

ファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。





先日ふたつの日本ブランドの展示会にお邪魔しました。

・素材のこだわり、matohu


一つ目は東京コレクションブランドのmatohu

以前は毎シーズン展示会にお邪魔していましたが、

なかなかタイミングが合わず今回は数年ぶりの訪問。

男性のショップスタッフが付いて下さり、

アイテムの説明を詳しくしていただきました。









印象深かったのは素材へのこだわり。

今回は麻がキーの素材となっているそうで、

様々なバリエーションの絹と麻の混紡素材など

他ではお目にかかれないオリジナル素材の美しさは

唯一無二のmatohuテイスト。







「素」という今シーズンのテーマらしい

http://www.matohu.com/ja/collection/index.html

革素材本来のアジを活かした経年変化を楽しめそうな小物も美しく、

どうせ買えもしないのに何着も試着してしまいました。







お忙しい中お付き合い頂いたスタッフの方、ありがとうございました。


・ディテールへのこだわり、SY32 by SWEET YEARS


同じ日に訪れたのは商談展に出展した

元同僚の先輩が手掛けるスポーツブランド、SY32 by SWEET YEARS



スポーツ好きで派手好きな先輩らしく、

こだわりのディテールデザインと個性的なカラーが印象的でした。














・こだわりを伝えられるか


テイストも顧客層も全く違うふたつのブランド。

共通しているのは「こだわりまくったこだわり」

「オタク的」とも言えるこのこだわりこそが日本ブランドの強みになるのではないでしょうか。

オタク的こだわりはどうしても伝えるのが難しいですが、

もしそのこだわりが伝えられると強力なファンを産み出す事が可能になります。

それは海外で受け入れられている所謂「クールジャパン」、

アニメやヴィジュアル系やゴスロリなどの例を引くまでもないでしょう。

問題はどうやってそのこだわりを伝えられるか。

例えば今回のmatohuの展示会では

スタッフの方が長い時間をかけてじっくり説明して下さったおかげで

私はmatohuのこだわりを実感出来ましたが、

このような事は通常の店頭ではなかなか難しいでしょう。

インターネットやスマートフォンの普及により動画や画像による表現方法も拡大しましたが

今まで当ブログでも取り上げてきたように、

100%満足出来る利便性とは言えず、まだ発展途上の段階です。

参考:山田耕史のファッションブログ: 次世代のニュースタンダード?BEAMSのAR対応カタログ。

参考:山田耕史のファッションブログ: 進むセレクトショップカタログのバーチャル化とその課題。

売場やウェブサイトで作り手のこだわりを100%ターゲットに伝えられるような

革新的な手法は今後生まれるのでしょうか。


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2014年10月27日月曜日

顧客像を見極める事が必要【ユニクロチラシ定点観測vol.4】



こんにちは。

単焦点レンズが欲しくなってきたファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。



ユニクロチラシ定点観測第4回(2014年10月24日)です。


-----今までのユニクロチラシ定点観測-----

2014年10月17日
山田耕史のファッションブログ: 商品を買う気にさせる情報とは何か?【ユニクロチラシ定点観測vol.3】

2014年10月10日
山田耕史のファッションブログ: デザインは毎週変わる?ユニクロチラシ定点観測中。

2014年10月3日
山田耕史のファッションブログ: ユニクロの叡智が詰まったチラシの秘密。

・性別、エイジで違うヒートテックの訴求方法

今回のチラシ表面です。



メイン訴求商品はヒートテック。



ヒートテックの機能紹介は継続して行っています。

レディスは

「レイヤードに映える色柄満載」

とファッション性をアピール。



メンズは

「ムレにくさ」



「エクストラウォーム」

などの機能訴求がメイン。



キッズは

「たのしい色柄がいっぱい!」

とレディスと同じくデザイン性を訴求しています



やはりメンズはデザインよりも機能を訴求した方が響くのでしょうね。


表面右側はカシミアニット。



素材の説明とカラーバリエーションをアピールしています。



表面右下はフリース系です。




・爆売れの防寒ボトムスはバリエーション豊富


裏面のメインは「あったかボトムス」です。



コーデュロイ、レギンスパンツ、ウールパンツ、デニム…

去年かなり売れたアイテムだけに今年もバリエーションを多数展開していますね。



防風デニムは素材のイラストもプラスして機能性を詳しく紹介。




・ユニクロでは珍しい?ハロウィンイベント訴求




裏面右上は「ハロウィンフェスティバル」。

お菓子のプレゼントがあったそうです。



ユニクロでこういったイベントは珍しいような気がします。

年々盛り上がってきているハロウィン。

ユニクロも無視出来なくなってきたのですかね。

・まとめ:顧客層の好みを見極める


今回のチラシのポイントは

性別、エイジ別のヒートテックの訴求方法。

ユニクロの顧客層のメンズではファッション訴求よりも機能訴求が効果的なのでしょう。

例えばセレクトショップなど、もっとファッション性を重視するショップなら

機能訴求よりもファッション訴求をすべきなのでしょう。

自社の顧客層の好みをしっかりと見極める事は重要ですね。


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2014年10月24日金曜日

俺の大好きなユナイテッドアローズがJ.Crewをパクる筈がない!



こんにちは。

チョコレートの中毒性が恐ろしいファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。




先日ユナイテッドアローズのUNITED ARROWS green label relaxingの店頭に

2014年冬カタログがあったので貰ってきました。

店頭で見かけた時にも「んん?」と思ったのですが、

今日出社し、会社にある資料と照らし合わせて確信しました。

それは

・green label relaxingのカタログがJ.Crewをインスパイヤしまくり


という事です。

インスパイヤという言葉に聞き覚えの無い方はこちらをどうぞ。

インスパイヤとは (インスパイヤとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

で、

どれだけインスパイヤしているかは実際にカタログを並べてみると一目瞭然です。

まず、表紙。

上がJ.Crew、下がgreen label relaxingです。

どちらも2014年秋冬の最新カタログです。


表紙を見るだけだと

どちらもキレイ目のトラッドテイストという感じで

ファッションテイストが似ているなーというくらいの印象ですが、

中身を見るとびっくりします。

誌面の演出方法(と言えばいいのかな?まぁ雰囲気的な事)がまるっきり同じです。




写真は上がJ.Crew、下がgreen label relaxingです。

モデルが着用したスタイリングと積み上げたアイテムを並べる

見せ方はほぼ「まんま」と言ってもいいでしょう。

・どちらがどちらかわからなくなる程のインスパイヤっぷり


チェックシャツを並べたり


ニットを並べてカラーバリエーションを見せたり


アイテムを積み重ねて柄やカラーを見せたり。


スニーカーやアクセサリーは床に置いたり。



ニューバランス推しも「まんま」ですが、

これは最近はどのセレクトショップでもそうだから仕方ないかもしれません。



くどいですが写真は上がJ.Crew、下がgreen label relaxingです。

こうやって書いておかないと自分でもどっちがどっちかわからなくなってしまいますw

因みに内容だけでなく、

カタログのサイズ、紙質、ページ数などなど

カタログ自体のスペックもほぼ同じです。

ググってみると過去のJ.Crewのカタログをアップしているサイトを発見しました。

The J. Crew Archives: J.Crew January 2013 Style Guide catalog

green label relaxingのカタログもアップされているので

興味がある方は見比べてみて下さい。

2014 NOV. Catalog 『the GREENPAPER』 | Special | UNITED ARROWS green label relaxing


・日本未上陸の大人気ブランド、J.Crew



ファッション業界では無い方はJ.Crewというブランドにもあまりピンと来ないかもしれません。

J.Crew: Clothes, Shoes & Accessories for Women, Men & Kids

そんな方はこちらをご覧下さい。

ユニクロも惚れた?Jクルーの実力とは | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

今年の春にユニクロによる買収交渉が報じられました。

この記事では「アパレル版アップル」とまで称されていますが、

今日本でも大ブームのシティボーイ風ファッション(ビーニー、スウェット、シャツ、ニューバランス)が

ヒットしたのもJ.Crewの影響が大きかったと思います。

ファッション業界でも注目度が高く、

海外出張では必ず訪れるショップと言えるでしょう。

私も一度、会社の出張でニューヨークのショップ行った事があるのですが、

ショップの演出の上手さは流石と感じました。

・何故天下のユナイテッドアローズがインスパイヤしたのか?

ファッション業界ではJ.Crewのカタログのクオリティの高さは有名で、

私の会社でも海外出張の時は絶対に持って帰らなければならない重要な資料のひとつです。

そんな超有名なJ.Crewのカタログを

何故UNITED ARROWS green label relaxingはインスパイヤしたのでしょう?

J.Crewに対するオマージュなのでしょうか?

それとも

「業界では有名だけど一般人は知らないだろう」みたいな感じで

安易にパクったのでしょうか。

・俺の大好きなユナイテッドアローズがそんな事する筈が無い


私はユナイテッドアローズが大好きです。

いち消費者だった頃から地元神戸のユナイテッドアローズには

足繁く通っていましたし、

ファッション業界で働くようになってからは

企画の的確さ、商品のクオリティ、接客など

あらゆる面で数あるセレクトショップの中で頭ひとつ抜けていると感じるようになりました。

特にDistrict UNITED ARROWSは日本一のセレクトショップだと思っています。

UNITED ARROWS green label relaxingも商品企画の精度の高さにはいつも感服しています。

という風に贔屓目たっぷりですが、

私としてはユナイテッドアローズが安易な、

バレバレのパクリをするとはどうも考えにくいのです。

じゃあこのインスパイヤっぷりは何なんだ?という事なのですが、

こればっかりは自分ひとりでうじうじ考えていてもどうしようもないですね。

なんだかなー、ともやもやした気分を残したままでおしまいです。


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2014年10月21日火曜日

初音ミクが変えたクリエイターのあり方。【書評】「初音ミクはなぜ世界を変えたのか?」



こんにちは。

アニメ「ブラック★ロックシューター」は名作だったと信じている

ファッションアナリスト山田耕史(@yamada0221)です。



・読んでいて鳥肌が何度も立った


久し振りに読んでいてテンションが上がる本に出会いました。

それはこちら。






初音ミクはなぜ世界を変えたのか?」です。

著者は柴那典さんという音楽ライター。


まず私がこの本を気に入ったのはそのクオリティの高さ。

インターネットや音楽、ファッションなどのユースカルチャーを扱った本には

読むに耐えない粗雑な文章の本が少なくありませんが、

この本は違います。

練られた構成。

丹念な取材と充分な知識による重厚さ。

当時初音ミクムーブメントを横目で見ていた程度で

初音ミクに対してそんなに思い入れが無かった私でも

何度も鳥肌が立つ程の高い文章力。

そして最後にはまるで自己啓発書を読んだかのように

創作や仕事への活力が湧く、という沢山の魅力がある不思議な良書です。


・音楽の視点から初音ミクを分析


今まで萌えキャラやアイドルといった視点から論じられる事が多かった初音ミクを

音楽の視点から分析するという方法が大変面白く、

2007年に誕生した初音ミクを発端としたムーブメントを

ウッドストック・フェスティバルに代表される1967年の「サマー・オブ・ラヴ」、

その20年後、1987年にイギリスのクラブシーンを中心に勃発した

「セカンド・サマー・オブ・ラブ」に続く「サード・サマー・オブ・ラヴ」と定義付けた

音楽ライターならではのユニークな考えのもと、

初音ミクの開発に携わった人々やブームの舞台となったインターネットサービス関係者、

「P」と呼ばれる初音ミクユーザーなど、多くの初音ミクブームの体験者の

インタビューを中心に構成されています。


いくつもの偶然が奇跡的に繋がり合って生まれた初音ミクブーム。

様々なクリエイターや初音ミク周辺のビジネスマンの

創作に対する愛がその熱気を作り上げた事がわかります。

その中でも巻末に収録されている著者と

初音ミクの生みの親とも言えるクリプトン社の伊藤博之社長との対談は

インターネットによる創造や情報拡散のあり方の変化まで言及されており、

私自身かなり勉強になりました。


・感動のパリ公演


本書のクライマックス、初音ミクブームの到達点とも言える

パリ公演に至るまでの道程は感動的とも言える程です。

ミュージシャンのジェフ・ミルズやファッションデザイナーのジャンポール・ゴルチエも

初音ミクパリ公演に訪れていた事を私は本書で知りました。

・起業を志す人にもお薦め


インターネットやPCの進化の恩恵を受け、

誰もがクリエイターになりそしてそれを全世界に発信出来る事を可能にした

初音ミクの軌跡を記した本書は、

インターネット好きやコンピュータ、アート、ファッション、音楽、映像など

様々な分野のクリエイターはもちろん、

起業を考えている人にも是非読んで頂きたい本です


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